ジークの雑録日誌

ゲームや小説 アニメの評論など

売れない作家の特徴とは

  売れない作家の特徴は主に3つである。

  第1に、自身の作品が売れない理由を販路や編集、宣伝のせいにすることである。被害妄想を撒き散らし勝手に自滅したI氏の事件がその最たる例である。加えて、彼の場合はストーリー構成力や魅力的なキャラ作りに関する能力が著しく欠けているのでもう手に負えないが……

  第2に、ニーズをきちんと把握しないことが要因として挙げられる。これは読者を楽しませるという心構え無いと言い換えることもできる。作者の自己満足で書いているような小説は誰も買わないのである。ニーズの調査に関しては編集の仕事だという意見もあるがここでその事を論じるつもりはない。

  第3に、ストーリーの軸やキャラの軸が定まっておらず、設定においても矛盾を抱えた作品である。これも炎上を引き起こしたI氏の小説で顕著な傾向である。

  第2要因はストーリー構成力や魅力的なキャラ作りによってある程度補うことが可能である。なぜならニーズは開拓することができるからである。読者が需要する小説を生み出せなければ、作家を辞めるべきだろう。

  今日はこの辺で

Re:ゼロの「死に戻り」を大真面目に考察

 今回はRe:ゼロの「死に戻り」を考察する。死に戻りは死の分岐点(セーブポイント)に戻るという能力で、主人公はその能力を用いて死ぬ運命を回避するのである。これまでの時間跳躍系物語と異なる点は「死ぬと時間が分岐点まで戻る」というである。主人公の能力は謎の存在から授けられたものという点も留意すべきだろう。主人公は死の運命から逃れるたびその分岐点は更新される。

 Re:ゼロの舞台設定は中世ヨーロッパ風ので魔法が存在している世界である。死に戻りは「魔女」なる存在に与えられた能力であるから分岐点まで戻るという超常現象も理解は十分できる。しかしこの能力にも解明されてないことがある。死の分岐点がいくつ存在していて、死に戻りがいつまで有効なのか、回数制限があるのではないかという点である。主人公はいつ本当に死ぬか分からないという恐怖と戦いながらヒロインたちを救っているのである。

 類似した時間跳躍作品にシュタインズゲートがある。並行世界説を採用しているため時間跳躍の方法は2つ存在する。無数にある並行世界を移動するか、同一世界内でループするという手法である。シュタゲの場合、ある世界Aで一方のヒロインを救おうとするともう一方のヒロインが死ぬという事態に陥る。世界Bに移動しても救われるヒロインと死亡するヒロインが入れ替わるだけである。両方のヒロインを救うため世界Cへの到達を目指すというのがこの作品の最大の魅力である。

 Re:ゼロは今後、伏線を回収できるのかという不安がある一方、きれいにまとめてくれるのではないかという期待もある。鼠色猫氏の力量に期待したい。

 

ヒロインテイム・マイスター ‐契約《キス》と楔紋《ギアス》の空島生活‐ 感想

 今回、紹介する本は砥石大樹著 ヒロインテイム・マイスター ‐契約《キス》と楔紋《ギアス》の空島生活‐ である。本の紹介へ入る前に著者の砥石大樹氏について話をしておこう。

 氏は、ハーヴェストオーバーレイ、シュクレといったエロゲーのシナリオを担当したことのあるライターだ。氏にとっては今回紹介する作品がラノベデビュー作となる。作品の紹介をしていこう。

 主人公はとある事情により獣人たちが通う学校へと転入することになった。獣人の存在が一般的になった作品内世界において、主人公は獣人を使役することができる存在=獣使いだった。学園に属する獣人女子を籠絡し従者にしたりイチャイチャしたりする話である。

 感想はメインヒロインのノエルちゃんがめっちゃかわいい。健気なケモノっ娘いいよねえ~!!ノエルちゃんは物語の前半、自分の種族が分からない獣人として登場します。ノエルちゃんの正体は中盤から終盤にかけて判明するのですが、正体に度肝を抜かれました。主人公は熱いやつだね。昨今流行の巻き込まれ系じゃないところもなおグッド!!話の展開に関してもスピーディーで冗長な部分も無く文章も非常に読みやすい。他媒体でシナリオを書いてるだけあって力量も十分だと思います。次巻が出たら買います。ケモノスキーにはたまらない1冊です。

 

  最高だぜ!!

無産階級とは何か

 新年早々小難しい内容を書くので読んでもらえるか分からないが、まあそんなことは気にせず気ままに書く。今回『無産階級』について書こうと思った理由は以下の記事が目にとまったからだ。

枕狐先生の無産発言とその反応 - Togetterまとめ

 炎上の内容は各自確認してもらいたい。氏は無産という言葉を誤解しているようだ。

 無産階級とはマルクス経済学の用語である。資本主義社会における賃金労働者階級のことを指す。ここで1つの疑問が生じる。「賃金労働者って商品を作ってるんだから無産って表現は間違いじゃね?」このような疑問をもつのも当然だと考える。

 マルクス経済学では資本家と労働者の2つが存在する。資本家階級は生産階級とも呼ばれる。なぜか―生産手段をもつためである。生産するか否かではなく、生産手段があるか無いかという意味あいで生産、無産という言葉が用いられているのである。資本家は土地、金(資本)、労働力といった生産手段を所有しているため生産階級と分類されるのである。労働者は労働力しかもたない。労働力は資本家に所有されてはじめてその価値が発生する。労働者は資本家に対して労働力を提供するだけで自分では生産手段をもたない。

 このことからも分かるように絵師も無産階級だということが分かる。辞書で引けば理解できる程度の事柄を誤解しているようでは社会人として恥ずかしい。

 Fate/Zeroに登場するケイネス・エルメロイ・アーチボルトの言葉を借りるなら

 「このような事柄も理解できぬとは実に嘆かわしい」と言うべきだろう。

 今日はこの辺で

 

 追記

 リンク先のまとめが非公開になっており移動先はこちらです。

「無産」ツイートまとめ - Togetterまとめ

ざるそば(かわいい)感想

 ざるそば(かわいい)とは第11回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作である。あえてジャンルを定義するならば『麺類と人類の純愛系ラブコメ』とするのが最もふさわしい。

 主なあらすじは、出前にやって来た女の子が実は麺類寄りの魔法少女である。スポンサー契約が解除されてしまった彼女のため新しい麺類スポンサーを探しに奔走する話である。

 登場人物紹介

 姫ノ宮ざるそば とんでもなくかわいい麺類系魔法少女父親によってざるそばに改造されている。ラノベ史上最高に健気な女の子である。

 笹岡光太郎 出前ざるそばをこよなく愛する青年。ざるそばちゃんの超麺類的かわいさに魅了されスポンサー探しに協力している。

 佐藤野乃夏 光太郎の幼なじみ。両親が借金を作り、そのカタとして秘密結社ブラック・エイボスの戦闘員をしている。

月見るるな 通称月見そば。 ロンギヌスの槍(フォーク)を追い続ける魔法少女。麺類の陰謀と戦い続けている。

 MIB(麺inブラック)魔法少女協会から派遣された黒衣の男たち。麺類の固さについて多くの派閥が存在するらしい。

 姫ノ宮粉彦 量子物理学者で、ざるそばちゃんの父親。物語の鍵を握る人物。

 

 書評 物語は一人称(笹岡光太郎の語り)によって進行する。ラブコメとしては非常に完成度が高い。王道の踏襲とざるそばちゃんの超麺類的なかわいさによってかつてないほど美味しさのハーモニーを奏でている。文章は読みやすい。過剰な装飾や無意味な倒置表現が無く内容が頭に入りやすくなっている。ただし笹岡さんのモノローグにおける語彙はもうちょっとバリエーションがあっても良いと思う。ざるそばちゃん関連のイベントの配置についても考える余地があったように感じる。話は非常に面白く、私の好みだ。ぜひとも次巻あるいは次作に期待したい。

 感想 ざるそばちゃんかわいい。健気。笹岡君よくぞ言ってくれた!!月見そばちゃんこれからも頑張って。粉彦氏は親バカです。野乃夏ちゃんマジGJ!大変おいしい作品でした。続巻、次作に期待です。

 

 

ざるそば(かわいい) (MF文庫J)

ざるそば(かわいい) (MF文庫J)

 

  今回はこの辺で

作家と絵師の関係性―アーマードール・アライブ騒動を例に―

 幾谷正がまた喚いている。どうやらコニシ氏が同人誌の挿絵を担当することが気に食わないようだ。商業と同人で名義を変えるのは当たり前になっているにも関わらず@armordoll_aliveで以下の発言をしている。

「うちと仕事してるときは他社の宣伝するな」とか「よそと仕事するときは名義変えろ」なんて支持してくるクライアント、明らかにフリーの人間の弱みにつけ込んだ悪質業者のやり口なんだよなあ。まあ月一点のイラストと同人だけで食えるならそれでいいんじゃない?

フリーランスであっても他社の宣伝をしないというのは当然だと思う。作家や絵師といった職種は契約関係に基づいている。そのため契約内容に無い事柄については基本的にノータッチで構わない。

 幾谷は宣伝が不十分だったと主張しているが当時の公式サイトにはアーマードール・アライブに関する宣伝があり幾谷の主張と矛盾する。当時の記述を見ても編集者が仕事を怠っていた様子はない。下記参照

http://megalodon.jp/2014-0619-1909-31/blog.livedoor.jp/funny_bell/archives/1600431.html

 絵師の宣伝も不十分だったというがコニシ氏はブログで宣伝を行っている。コニシ氏は買い切り契約だったにも関わらずその職責を十分に果たしたといえる。結局は幾谷の実力不足で売れなかったのに編集者や絵師のせいにするな。

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 お前が言うな!!

『最近のラノベ』という括りなど捨ててしまえ!!

 私は『最近のラノベ』という括りを最も嫌っている。なぜかといえば''最近''の定義すら曖昧で、その議論は非論理的だからである。例えば、「最近のラノベはハーレム物が多い」というような論調とか。

 ハーレム物自体、ラノベに限った話じゃない。ギリシャ神話だってハーレム物だ。俺TUEEEEEEEEEEEEと呼ばれるジャンルは英雄の伝承にそのルーツをみることができる。異能の類が出てくる話だって伝承や民話が元ネタになっていることが多い。物語とそれに登場する人物には少なからず類型がある。それ自体もラノベに限った話じゃない。なのにラノベを叩く方々はそれすら忘れているのだ。

「フォントの大きさで声の大きさを表現するな」って主張は同意できる。だから最近のラノベはダメっていうのは論理の飛躍だ。個別具体的に批判してくれよ。ジャンルも傾向も違うものを『最近のラノベ』という括りで語らないでほしい。