経済学
ネットMMTerはミクロ的基礎づけを軽視している。木村氏と、あるネットMMTerのレスバを見て私はそう確信した。 あるネットMMTer曰く、「経済学は科学じゃねーから思い上がるな(意訳)」と。言ってしまえば、会計論に終始したMMTでいいという趣旨だ。この言説…
今回はMTPL論文(木村 優氏)第3稿の批評を行う。 まず、論文の概要は「租税貨幣論と内生的貨幣供給論に着目して MMT の論旨を数理モデル化し,物価水準の変動のメカニズムを明示化したマクロ経済モデルを提案する」というものである。RBCモデルを基礎とする…
MMT(現代貨幣理論)という学説をご存知だろうか。 貨幣は商品ではなく信頼に基づく貸借関係の記録(負債の記録)である、貨幣は銀行等が貸借関係の記録を書き込む時に創出され、返済する時に消滅する、世の中に貨幣が存在するのは、政府が一番初めに貨幣を…
今回はキンコン西野問題を検討してみたいと思う。 http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html?.link_prev=1 簡潔に言ってしまえば有料だった絵本を時間差で無料公開したら売上が伸びたという内容だ。 氏は自費で自らの絵本を購入したうえで無料にす…
ジョン・ヒックスは、イギリスで最も優れた経済学者である。彼はイギリスの中にあってケンブリッジ学派の思想的影響を受けなかったにもかかわらず、結果としてケンブリッジ学派とローザンヌ学派の理論統合を成し遂げた人物である。 彼の経歴は、稀有なものだ…
かつて、ミクロ経済学では市場均衡理論を巡って2つの学派が対立した。アルフレッド・マーシャルが率いた「ケンブリッジ学派」と、レオン・ワルラスが率いた「ローザンヌ学派」である。ケンブリッジ学派は、主として1つの財の市場における価格と需給量の決定…
今回は経済政策の分析ツールとして一般的になった「動学的一般均衡モデル」について説明をする。 学部レベルのマクロ経済学を学んだ人が上級マクロを学ぶときに混乱するのが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」である。マクロ経済学にミクロ経済学で仮定される…
新年早々小難しい内容を書くので読んでもらえるか分からないが、まあそんなことは気にせず気ままに書く。今回『無産階級』について書こうと思った理由は以下の記事が目にとまったからだ。 枕狐先生の無産発言とその反応 - Togetterまとめ 炎上の内容は各自確…
電子書籍化とは、ペーパーレス化である。 jeek-miscellaneous.hatenablog.com では読者のメリットと著者のメリットに関する記事を書いた。今回は出版社の利点と著者の利点について書く。 出版社のメリットは、取次会社の取分も自社のものにすることができる…
前回の記事にも書いたようにラノベ市場では異なるレーベル間において価格競争が多くの場合においては起こらない。理由は読者のラノベ購入に関する効用(満足度)が著者の文章力やストーリー構成力(作品の出来)に依存するためである。 jeek-miscellaneous.h…
小説という商品はジャンルが同一のものであっても文章力や物語の内容によって差別化が図られている。著者(出版社)を売り手とするならば売り手独占だと言える。買い手(読者)にとって自分の欲しい小説は著者によってのみ提供されるからだ。たとえテンプレ…