ジークの雑録日誌

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テンプレ的ラノベとは何か

 テンプレとはテンプレートの略称で日本語で言うところのひな形である。ラノベに限らずあらゆる物語に存在する。遡るとテンプレの存在はギリシア神話においても確認できる。大体の神話は後世の人々に語り継がせるために英雄伝の形をとることが多い。もっとも、英雄伝という括りは物語の枠を指す言葉であると言えるが。英雄伝1つ取ってみても大きく2つの形に分けることができる。

 1つは「貴種流離譚」である。これはギリシア神話や日本の神話にも例が見られ、「高貴の血脈に生まれ、本来ならば王子や王弟などの高い身分にあるべき者が、『忌子として捨てられた双子の弟』『王位継承を望まれない(あるいはできない)王子』などといった不幸の境遇に置かれ、しかし、その恵まれない境遇の中で旅や冒険をしたり巷間で正義を発揮する」という話である場合が多い。

 もう1つは「立身出世型」である。これは身分の低い人物が己の才覚と運によって高い身分へと上り詰めるという話が多い。

 ラノベの場合だと設定レベルのテンプレが多いため一概には言えないがツンデレヤンデレなどのキャラ設定についても神話などにその一端を見ることができる。

 ではそもそも「非」テンプレとはなんだろうか。答えは簡単で『新たなテンプレになれなかったもの』である。新しいテンプレを生み出すためには書き手の力量が問われる。逆に言えば書き手の力量さえあれば新たなテンプレを生み出すことも可能だ。

 テンプレが必ず売れるわけではないが、売れている作家は既存のテンプレに新たなテンプレを足している場合が多い。