ジークの雑録日誌

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電子書籍で望まれるものとは?(読者側と著者側の両側面から)

 電子書籍で望まれるものとはなんだろうか。読者にとっての最大の利点はペーパーレス化である。紙の本は置き場所をとるが、電子書籍は記録媒体と端末さえあればいいので紙の本と比較して省スペースで済む。著者が受ける恩恵も大きい。

 1つはロイヤリティの違いである。ロイヤリティとは料率を指し、作者の取り分にあたる。大体の電子書籍においてその料率は70%である。(仲介業者を通さず出版を行った場合)残りの30%は流通業者の手数料となる。ここで1つ計算を行ってみよう。

 『冴えない彼女の育て方』というラノベを例に著者の収入(印税)と電子出版(ロイヤリティ)した場合の差額を計算する。冴えカノの文庫版本体価格が576円で1割が印税収入となる。丸戸氏のネームバリューを考慮し初版は1万部発行されたものと仮定すると576×0.1×1万部となり、57万6千円が印税収入となる。

 丸戸氏が電子出版のノウハウを持っていると仮定する。言い忘れたが電子書籍は販売数に掛けられる料率であるため、発行部数を根拠とする印税とは解釈が異なる。ここでは発行部数=販売部数 とする。冴えカノ電子版の本体価格は571円なのでこの価格に基づいて計算する。571×0.7×1万部となり 約400万円が収入となる。

 これらの結果からも分かる通り電子書籍の方が、文庫版よりも収入が多いということは自明である。しかしこれはあくまでも商業作家の場合であるため同人作家と同列に語ることはできない。印刷コストが無くなるため書籍同人に比べると敷居が低いかもしれない。

 今回はこの辺で