ジークの雑録日誌

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MMT的政策を実施することは、反ワクチン思想と同等以上に害悪な行為だという話

現行の金融システムでMMTを採用することは不可能である。現在の日銀バランスシートではETFを大量に購入しており市場に影響を与えず売却するのは困難になっている。

 MMTは貨幣を納税によって回収するという形を取っている。これは公務員に増税させるための根拠を与えてしまっている。自国通貨建て通貨の国債は破綻しないという言説がまかり通っているが全くのデダラメであり、カナダ中央銀行のデータベースによると、自国通貨建て国債のデフォルト事例も存在している。現実問題として、インフレ率のコントロールMMTで想定されるほど簡単なものではない。

 日本国内における主なMMT政策の提案者が、擬似相関で経済学や統計学に無知な人を意図的に騙す「池戸一派」や、国際金融資本陰謀論を盛んに唱え、信者ビジネスで稼ぐ「三橋一派」、土木工学が専門であるにも関わらず財政や金融を語る「藤井(似非京都学派)一派」など多数いるが、この人物たちに共通して言えるのは、仮にMMTが失敗だったとしても、社会的責任を取らなくて良い立場にいるということだ。

 さらに、たちが悪いのは自由主義経済を「金だけ、今だけ、自分だけ」と揶揄するくせに、自分たちの主張のほうが、「金だけ、今だけ、自分だけ」となっていることに気づいていない点だ。寝言は寝てから言って欲しいものだ。

 中野剛志とMMT研究者のビル・ミッチェルによれば高橋是清の財政政策がMMTと最も適合するという。高橋財政=中銀財政ファイナンスだ。これはMMT≒中銀財政ファイナンスが成り立つのではないだろうか。

 ケインズはアバ・ラーナーが提唱した「機能的財政論」について理解を示していた。その一方でインフレスパイラルに陥る可能性としても機能的財政論を挙げ、その書簡をハイエクに送っていた。

 ここからは私の推測になるが、ケインズハイエクが最後の食事で交わしたとされる会話にあたる

‘‘ハイエク、私の理論はもう古い。だから君が変えてくれ’’ という言葉の裏にはこのような意味もあったのではないだろうか。