ジークの雑録日誌

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ラノベが売れないのは誰のせいなのか

小説という商品はジャンルが同一のものであっても文章力や物語の内容によって差別化が図られている。著者(出版社)を売り手とするならば売り手独占だと言える。買い手(読者)にとって自分の欲しい小説は著者によってのみ提供されるからだ。たとえテンプレ的な作品であってもそれは変わらない。
ここでラノベの場合を考えてみよう。ラノベ読者が本を選ぶ基準は主に2つだ。本の内容か挿絵のいずれかである。ここで重要なのは読者がどのような基準で本を選んだかということを著者は知ることができない点である。だから出版したラノベが売れないとき著者か絵師のいずれに責任があるかという無意味な論争が起こる。
これは著者が読者の需要するラノベを生産出来ていないために起きる問題なのである。要はリサーチ不足なのだ。
某元作家が絵師の宣伝不足のせいで自分のラノベは売れなかったという主旨の発言をし物議を醸した。これはまったくもって傲慢な思い違いだと言わざるを得ない。明らかに著者の力量不足だったからだ。文章力とストーリー構成力さえあれば売れ筋の主流から外れていても売れる。読者層が限られているからこそラノベの売れ筋調査が重要なのにそれを怠ったうえに売れないと絵師の宣伝不足のせいにするという姿勢はいかがなものだろうか。小説は面白ければ電子書籍だとしても売れる。後発レーベルでも売れる。売れないという事実を関係者に当たり散らすことは最も恥ずべきことなのだ。
次回はラノベの販売戦略について考察する。