ジークの雑録日誌

ゲームや小説 アニメの評論など

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『最近のラノベ』という括りなど捨ててしまえ!!

私は『最近のラノベ』という括りを最も嫌っている。なぜかといえば''最近''の定義すら曖昧で、その議論は非論理的だからである。例えば、「最近のラノベはハーレム物が多い」というような論調とか。 ハーレム物自体、ラノベに限った話じゃない。ギリシャ神話…

物語は形に宿る

小説を書くとき、話の形式や構造について考える。小説におけるカテゴリーとは、純文学、大衆文芸、青少年向け小説(ライトノベル、児童文学)などが挙げられる。小説におけるジャンルとは、ファンタジー、SF、ミステリー、etc……がある。 ライトノベルをジャ…

奈須きのこ・TYPE-MOON私論―同人からの飛躍―

奈須きのこは、TYPE-MOONに所属するシナリオライター・小説家であり、TYPE-MOON(通称、型月)を支える概念武装である。今回は型月を支える概念武装である彼について記事を書こうと思う。 奈須氏は同人ゲーム『月姫』の脚本で同人デビューを果たす。奈須氏の…

実力の無い商業作家の同人作品は売れるのか

商業で実力の無い作家の同人作品は売れるのか。答えは否である。今回は幾谷正を例に挙げ彼が辿った悲惨な状況について語る。彼については以下の記事を参照して欲しい。 jeek-miscellaneous.hatenablog.com 自らの本が売れない原因を他人に転嫁するような人物…

伊藤計劃以後とは何なのか

近年ののSF界では、「伊藤計劃以後」という概念が独り歩きをしている。伊藤氏の没後に書かれたもので、作品のテーマと類似するもの(人間の意識や言葉)や社会批判を含んでいる作品を指すことが多い。氏のファンである私もこの概念にしばしば頭を悩ませてい…

ラノベ作家が一般向けSF作家になるための条件とは?

ラノベにおけるSFと一般向けSFでは求められるテーマや物語の構造が大きく異なる。一般向けSFは現代社会に関する批判を物語の中に織り込むことが多い。ラノベ系SFは少年少女たちの属するコミュニティとその関係性がテーマとなる場合がほとんどである。 ガジェ…

電子書籍化が進むと出版社と著者が得をするのか

電子書籍化とは、ペーパーレス化である。 jeek-miscellaneous.hatenablog.com では読者のメリットと著者のメリットに関する記事を書いた。今回は出版社の利点と著者の利点について書く。 出版社のメリットは、取次会社の取分も自社のものにすることができる…

ラノベの歴史に今何を思う

「ラノベって10代向けの挿絵付き小説のことでしょ」 友人は頻繁にそのことを指摘していた。 ラノベ以前において10代向けの小説が無かったのかと言えばそうではない。10代の少年・少女たちに向けて書かれた小説はたくさんある。勇気や正義、諦めないことの大…

電子書籍で望まれるものとは?(読者側と著者側の両側面から)

電子書籍で望まれるものとはなんだろうか。読者にとっての最大の利点はペーパーレス化である。紙の本は置き場所をとるが、電子書籍は記録媒体と端末さえあればいいので紙の本と比較して省スペースで済む。著者が受ける恩恵も大きい。 1つはロイヤリティの違…

「ざるそば」って何だよ(哲学)

ざるそばとは、ざるに入った麺類である。そばとはそば粉で作られた麺類である。ざるそばは、香りや味が素晴らしい。色々な具材をのせるパターンもあるが、やはりシンプルな味わいをもつざるそばが最もおいしいと思う。 なぜざるそばの話題を書いているのかと…

テンプレ的ラノベとは何か

テンプレとはテンプレートの略称で日本語で言うところのひな形である。ラノベに限らずあらゆる物語に存在する。遡るとテンプレの存在はギリシア神話においても確認できる。大体の神話は後世の人々に語り継がせるために英雄伝の形をとることが多い。もっとも…

「干物妹!うまるちゃん」はなぜ売れているのか ニッチジャンル可能性とは

干物妹!うまるちゃんとは週刊ヤングジャンプで絶賛連載中の漫画である。この作品は日常、ギャグに分類される。外では才色兼備で完璧だが家ではグータラに過ごす女子高生「うまる」と、その兄「タイヘイ」の日常を綴ったギャグ漫画である。有名作品やサブカ…

炎上作家に未来はあるのか 幾谷正の経歴とその後

幾谷正という名前をご存じだろうか?今や炎上芸人として名を馳せている元ラノベ作家である。彼の言動については togetter.com などにまとめられている。そんな彼にもラノベ作家としての時代があった。 第1回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞を受賞、神童機操DT…

天才ラノベ作家の本質とは ―2人の電撃作家を例に―

今回はラノベ作家の天才タイプについて考察する。ラノベにおける天才とはなんだろうか。ずばり、自分の書きたいものを書き、なおかつ自らの作品を売れ筋にしてしまう作家のことである。 売れ筋作品は経験を積めば大抵の作家が書けるものだと言われている。天…

ラノベの販売戦略に関する私見

前回の記事にも書いたようにラノベ市場では異なるレーベル間において価格競争が多くの場合においては起こらない。理由は読者のラノベ購入に関する効用(満足度)が著者の文章力やストーリー構成力(作品の出来)に依存するためである。 jeek-miscellaneous.h…

ラノベが売れないのは誰のせいなのか

小説という商品はジャンルが同一のものであっても文章力や物語の内容によって差別化が図られている。著者(出版社)を売り手とするならば売り手独占だと言える。買い手(読者)にとって自分の欲しい小説は著者によってのみ提供されるからだ。たとえテンプレ…