ジークの雑録日誌

ゲームや小説 アニメの評論など

2016-01-01から1年間の記事一覧

経済学は何故軽んじられているのか?

行政は経済政策を立案・実行する際、ミクロやマクロの理論を根拠するのが本来望ましい。しかし、指針を示す政治家がそれらについて無知なことが多々ある。その理由は経済学で用いる数学が難しいこと、経済学における仮定が理想状態に重きを置きすぎているこ…

ジョン・ヒックスの業績と一生

ジョン・ヒックスは、イギリスで最も優れた経済学者である。彼はイギリスの中にあってケンブリッジ学派の思想的影響を受けなかったにもかかわらず、結果としてケンブリッジ学派とローザンヌ学派の理論統合を成し遂げた人物である。 彼の経歴は、稀有なものだ…

ケンブリッジ学派とローザンヌ学派における学説の相違について

かつて、ミクロ経済学では市場均衡理論を巡って2つの学派が対立した。アルフレッド・マーシャルが率いた「ケンブリッジ学派」と、レオン・ワルラスが率いた「ローザンヌ学派」である。ケンブリッジ学派は、主として1つの財の市場における価格と需給量の決定…

統計プログラミング言語Rを用いた一般均衡分析

統計プログラミング言語Rとは主に統計分野において用いられるツールである。実証分析をする際、非常に便利である。研究者が公表している追加パッケージを用いることで様々な分析が可能となる。とりわけ経済学分野のパッケージが豊富である。そんな中、最近に…

ー動学的一般均衡モデル概説ー

今回は経済政策の分析ツールとして一般的になった「動学的一般均衡モデル」について説明をする。 学部レベルのマクロ経済学を学んだ人が上級マクロを学ぶときに混乱するのが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」である。マクロ経済学にミクロ経済学で仮定される…

売れない作家の特徴とは

売れない作家の特徴は主に3つである。 第1に、自身の作品が売れない理由を販路や編集、宣伝のせいにすることである。被害妄想を撒き散らし勝手に自滅したI氏の事件がその最たる例である。加えて、彼の場合はストーリー構成力や魅力的なキャラ作りに関する能…

Re:ゼロの「死に戻り」を大真面目に考察

今回はRe:ゼロの「死に戻り」を考察する。死に戻りは死の分岐点(セーブポイント)に戻るという能力で、主人公はその能力を用いて死ぬ運命を回避するのである。これまでの時間跳躍系物語と異なる点は「死ぬと時間が分岐点まで戻る」というである。主人公の能…

ヒロインテイム・マイスター ‐契約《キス》と楔紋《ギアス》の空島生活‐ 感想

今回、紹介する本は砥石大樹著 ヒロインテイム・マイスター ‐契約《キス》と楔紋《ギアス》の空島生活‐ である。本の紹介へ入る前に著者の砥石大樹氏について話をしておこう。 氏は、ハーヴェストオーバーレイ、シュクレといったエロゲーのシナリオを担当し…

無産階級とは何か

新年早々小難しい内容を書くので読んでもらえるか分からないが、まあそんなことは気にせず気ままに書く。今回『無産階級』について書こうと思った理由は以下の記事が目にとまったからだ。 枕狐先生の無産発言とその反応 - Togetterまとめ 炎上の内容は各自確…