ジークの雑録日誌

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炎上作家に未来はあるのか 幾谷正の経歴とその後

 幾谷正という名前をご存じだろうか?今や炎上芸人として名を馳せている元ラノベ作家である。彼の言動については

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 などにまとめられている。そんな彼にもラノベ作家としての時代があった。

 第1回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞を受賞、神童機操DT-Oという作品でデビューを果たした。優秀賞は賞金100万円だ。これだけでも結構うらやましい。この作家はいわゆるロボものというジャンルが好みのようだ。次作のアーマードールアライブもロボものである。決して売れ筋ジャンルではないが書き手の力量次第で十分売り上げを伸ばせる分野なのだ。アーマードールアライブが炎上の発端になったのは良く知られているが、作品自体の設定は決してセンスが無いというものではなかった。

 彼の力量不足である。地の文が致命的に下手なのである。そもそも小説は読者の想像力を借りて成り立つものなのに地の文がド下手で物語の構造も分かりづらいのだ。感想についてはこちらのまとめが概ね私の感想と同じなので参照しよう。

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(こちらのまとめは6月未明に削除された。建設的な意見だっただけに非常に残念である。)

 

 そんな彼が今何をしているのか。Kindle ダイレクト・パブリッシングである。電子書籍自費出版しているのだ。ロイヤリティ(印税)が自分で設定でき、売れれば一般的な印税率よりも高い料率が作家の収入になる仕組みだ。業界を干された彼にとって低コストで出版できる場がKindle ダイレクト・パブリッシングというシステムだった。

 初期投資費用やら製本に掛かる時間やらでコストを回収できるだけの利益は望めなかったようだが…… ご丁寧に著者が結果をブログに書いているので参照されたい。

換骨奪胎ポツダム宣言 : 電子書籍化の結果について

 何はともあれ電子書籍出版を果たした意義は小さくない。幾谷氏としては「需要が無いなら作ればいいじゃない(ケインズ並感)」などと思っていたことだろう。媒体を変えて新たな読者を開拓しようとした行為は素晴らしい。しかし、幾谷氏が売れないのは文章力とストーリー構成力の欠如が原因である。媒体が紙であれ電子書籍であれ作家としての重要な能力が欠けていては売れるわけがない。

 今回はこの辺で

追記 騒動の詳細に関してまとめを著者が削除したために代わりのリンクを記載する。

www.matolabel.net

騒動の詳細を語った著者の当時のブログに関する魚拓も記載する。

【魚拓】炎上作家、でした : 世界に愛を心には萌を