ジークの雑録日誌

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ラノベ作家が一般向けSF作家になるための条件とは?

ラノベにおけるSFと一般向けSFでは求められるテーマや物語の構造が大きく異なる。一般向けSFは現代社会に関する批判を物語の中に織り込むことが多い。ラノベ系SFは少年少女たちの属するコミュニティとその関係性がテーマとなる場合がほとんどである。
ガジェットや舞台設定などはラノベ系も一般向けもあまり変わらない。なぜこんな当たり前のことを書いているのかといえば
「俺の作品が売れなかったのはラノベにカテゴライズされたからだ。一般向けSFだったらもっと売れたんや‼」
などと主張する元作家がいるからである。
この主張は根本的に間違っているのだ。ラノベはカテゴリーであり、SFはジャンルである。ラノベ系SF作家は一般向けSFを執筆出来るのかと聞かれれば、可能であると私は答える。
具体例を挙げるなら創元SF短編賞を受賞した宮澤伊織氏が記憶に新しい。同氏は冒険企画局に所属するライターで角川スニーカー文庫からデビューした経歴をもつ。氏がこの賞に応募した理由は新たな可能性を拓きたかったということらしい。
氏の才能はラノベというカテゴリーに収まらないということだろう。前述のような発言をした元作家にはSF創元短編賞への応募を推奨したい。