ジークの雑録日誌

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電子書籍化が進むと出版社と著者が得をするのか

電子書籍化とは、ペーパーレス化である。

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では読者のメリットと著者のメリットに関する記事を書いた。今回は出版社の利点と著者の利点について書く。

 出版社のメリットは、取次会社の取分も自社のものにすることができるという点である。刷り部数方式の著者料率(印税)が10%であるということは、皆さんもご存じだと思う。残り90%は誰の利益となるか。出版社と取次会社が4:5の割合で利益を分けるのだ。なぜ出版社の取分が少ないのかと言えば、在庫管理やその他のリスクを取次会社が負っているためである。取次の影響を排除することで著者と出版社の取分を新たに設定し直すことが可能となる。

 電子書籍個人出版する場合、著者料率は30~50%で設定されることが多い。出版社と配信業者の取分は両者で協議することが多い。昨今では出版社が電子書籍配信業を行っていることも多いためその場合の著者料率と出版社取分は5:5となる。(BWインディーズの場合)

 電子書籍はその性質上、刷り部数方式の著者料率が適用されない。販売数に基づく著者料率が適用されるため、刷り部数方式に比べ出版社と仲介業者の負うリスクが少なくなる。(在庫余りなど)販売数(売上数)に基づいて配信継続、停止などの措置を行うことも容易となる。

 

 

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  もしかしたら、彼のような作家が生まれることも未然に防ぐことができたかもしれない。ラノベの場合、最低でも5000~1万冊を発行しなければならない。在庫余りが生じた場合、そのリスクを負うのは出版社と取次である。刷り部数方式では、たとえ駄作であっても規定部数を発行しなければならない。しかし、電子書籍は売上数に基づくためその結果によって打ち切りか否かを決めるという手法もできるからだ。電子書籍では在庫余りのリスクを考慮する必要がないのである。駄作は売上の結果で淘汰される。電子書籍のおかげで完全実力主義になる。

「まあこの出来じゃ電子書籍で5000も売上げるなんて不可能ですよ」

 と言われてしまうかもしれないが……

 今回はこの辺で