ジークの雑録日誌

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経済学は何故軽んじられているのか?

 行政は経済政策を立案・実行する際、ミクロやマクロの理論を根拠するのが本来望ましい。しかし、指針を示す政治家がそれらについて無知なことが多々ある。その理由は経済学で用いる数学が難しいこと、経済学における仮定が理想状態に重きを置きすぎていることなどがある。

 経済学で数学を用いる理由は事象の定式化や、自然言語ではなし得ない厳密さを与えるためである。微積線形代数を使うので取っ付きにくいと思われてしまいがちだが、ただの作業だと割り切ってしまえばどうということはない。仮定が理想状態に重きを置きすぎているのは、高校物理において落下運動における空気抵抗を考慮しないことと同様である。理論は理論として解釈するのが適切なのだ。理論が有用か否かを論点に挙げるのは非常に主観的なことであり意味は皆無である。

 経済学における理論とは『事象の一部を抜出し数理モデルによって一般化したもの』であり、それ以上の意味をもち得ない。どのような科学も理論を抜きに実証は出来ない。経済学に疎い政治家は自らが理論を理解しえないために政策効果を検証できないのである。理論研究を行う研究者は理論モデルの厳密性にのみ注意を払えばよい。

 実証研究は、応用経済学の分野で行われている。分析手法として『計量経済学』を用いる。計量経済学とは、統計学的手法を用いて理論モデルの妥当性を検証や反証する分野である。様々な経済現象に応じた分析手法が存在する。政策の定量的評価に一役買っている。

 ただし、ほとんどの政治家が統計学について無知であり、政策の効果を定量的に評価できないため評価は官僚が行っているのである。自らの無能さを晒したくないがために経済学を軽んじるなどあってはならない。