ジークの雑録日誌

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キンコン西野問題を批判する

今回はキンコン西野問題を検討してみたいと思う。

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html?.link_prev=1

 簡潔に言ってしまえば有料だった絵本を時間差で無料公開したら売上が伸びたという内容だ。

  氏は自費で自らの絵本を購入したうえで無料にするという荒業を実行した。行為の是非はともかくとしてビジネスとして成立するなら別にいいと思う。氏によれば、 氏の事業に参加した関係者に正当な報酬が支払われているとのことだ。

  氏の当該記事における問題点は貨幣に対する誤解だ。貨幣は財・サービスを利用する際に用いる尺度に過ぎない。封建時代には貨幣の役割を米が担っていた。氏が謳う『ご恩と奉公』とは額面通りに捉えるならば封建時代への回帰にほかならない。物納の時代に戻れとでもいうのだろうか。なんと時代錯誤な考え方だろう。人間は根源的に等しく労働者であり、資本家であるのだから。

  

報告があります

お久しぶりです。ジークです。

突然ですが、兼業作家を目指します。

個人の電子書籍出版への参入です。

参入を決意した理由はどうしても書きたい題材あるからです。ジャンルは、軍事・政治小説です。

じゃあ、新人賞に出せよ、と言う人もいるかもしれません。なぜ電子出版を決意したかといえば、epub電子書籍フォーマット)の技術的な障壁が大幅に下がったことが大きな要因です。これは非常に有益だと考えました。6月をめどに本稿を完成予定で活動を開始したいと思います。現時点では、BWインディーズ等の電書配信ストアへの納入を考えています。

 もう1つ理由があります。ソシャゲライタークオリアちゃん事件に影響されました。

商業媒体で出せたとしても販路の都合上、打ち切りになる可能性があるということです。

この時、「だったら最初から電子出版で出せばいいのではないだろうか」と。

商業媒体だと通常、紙で出版、続いて電書という形になります。

個人でやる分には逆でも良いのです。というか商業でもやってくれるとありがたいです。(電書先行の事例もありますがまだまだ少数です。)

具体的なプロセスとして、初めに、BWインディーズに納入し、その他のストア様についてはBWインディーズの売り上げデータに基づいて、販路拡大の可否を決定します。

 分量は400字詰め原稿用紙600から800です。

 挿絵はありません。副業として行うので本業の業務に支障のない範囲で頑張ろうと考えています。

 「承認欲求満たしたいだけならネット小説でも書いてろよ」それは違います。だって承認欲求で小説を書くなんて、本末転倒ですよね。休日の暇な時間とかだったら400字詰めで15枚以上書けるときもあるんです。

ミクロ経済学的に余暇の価値が高くなるのではないか?」

大丈夫です。むしろ休日の時間が今の私にとって生産的な時間だと感じられません。

無論、本業の効率を落とすことなく、両立させてみせます。

ちなみに小説家用のtwでは広報に徹するので感想はそのアカウントのDMで送ってくださいね。もし、2年以上ブログの更新がない場合は、組織勤めの喜びを知って、創作活動に時間を費やすことが空しくなったと思ってください。ではまた。

 

経済学は何故軽んじられているのか?

 行政は政策を立案・実行する際、ミクロやマクロの理論に依拠するのが本来望ましい。しかし、指針を示す政治家がそれらについて無知なことが多々ある。その理由は経済学で用いる数学が難しいこと、経済学における仮定が理想状態に重きを置きすぎていることなどがある。

 経済学で数学を用いる理由は事象の定式化や、自然言語ではなし得ない論理的厳密性を与えるためである。微積線形代数を使うので取っ付きにくいと思われてしまいがちだが、ただの作業だと割り切ってしまえばどうということはない。仮定が理想状態に重きを置きすぎているのは、高校物理において落下運動における空気抵抗を考慮しないことと同様である。理論は理論として解釈するのが適切なのだ。理論が有用か否かを論点に挙げるのは非常に主観的なことであり意味は皆無である。

 経済学における理論とは『事象の一部を抜出し数理モデルによって一般化したもの』であり、それ以上の意味をもち得ない。どのような科学も理論を抜きに実証は出来ない。経済学に疎い政治家は自らが理論を理解しえないために政策効果を検証できないのである。理論研究を行う研究者は理論モデルの厳密性にのみ注意を払えばよい。

 実証研究は、応用経済学の分野で行われている。分析手法として『計量経済学』を用いる。計量経済学とは、統計学的手法を用いて理論モデルの妥当性を検証や反証する分野である。様々な経済現象に応じた分析手法が存在する。政策の定量的評価に一役買っている。

 ただし、ほとんどの政治家が統計学について無知であり、政策の効果を定量的に評価できないため評価は官僚が行っているのである。自らの無能さを晒したくないがために経済学を軽んじるなどあってはならない。

ジョン・ヒックスの業績と一生

 ジョン・ヒックスは、イギリスで最も優れた経済学者である。彼はイギリスの中にあってケンブリッジ学派の思想的影響を受けなかったにもかかわらず、結果としてケンブリッジ学派とローザンヌ学派の理論統合を成し遂げた人物である。

   彼の経歴は、稀有なものだ。オックスフォード大学を卒業し、LSEで講師を務めつつライオネル・ロビンズのもとでローザンヌ学派オーストリア学派の流れを汲む「大陸ヨーロッパ学派」の理論を学ぶ。当時のLSEケンブリッジ学派(マーシャル)の影響を全く受けておらず、ローザンヌ学派が提唱する「経済理論の数学的定式化」に邁進していた。ヒックスもその影響を大いに受けていたとされる。

 彼の1つ目の業績は、ケインズの一般理論の数学的定式化である。これは今日の学部マクロの基礎であるIS-LM理論にあたる。このモデルが静学的であったためにヒックスは批判の対象になる。ヒックス自身もそのことは認めている。私の意見としては静学的モデルだとしても、ケインズの一般理論の数学的定式化を成し遂げたヒックスの功績は素晴らしいものだと主張する。

 2つ目の業績は、1939年に発表した著書『価値と資本』("Value and Capital")の中で、無差別曲線の理論やこれを用いた効用最大化の理論、一般均衡の静学的安定性の条件、予想の弾力性概念による一般均衡理論の現代化と、補償変分、等価変分などの消費者余剰の概念の明確化による新厚生経済学の確立に尽力したことである。これらは、序数的効用に基づくミクロ経済学の基礎と分析方法を確立し、大陸ヨーロッパ学派が主張する理論の根拠を与えるものになった。このことがケンブリッジ学派と大陸ヨーロッパ学派の理論統合がなされる。ヒックスは、この一連の業績によりノーベル経済学賞を受賞する。一連の業績での受賞に関してヒックス自身は残念がっていたと伝えられている。(本人は経済史における業績での受賞を望んでいた。)

 3つ目の業績は、オーストリア派経済学に目を向けて、1973年の著書『資本と時間』でオーストリア学派の資本理論再興を一人で試みたことである。固定資本と循環資本の両方を持つ、オーストリア学派的な資本理論を定式化しようとする試みだ。この試みは経済動学の基礎となっている。

 晩年のヒックスは経済動学と経済史の研究にのみ心血を注ぎ、その生涯を終えた。ミクロ経済学マクロ経済学の両方で多大な功績を遺した彼は、まさしく「英国最後の大経済学者」と呼ぶにふさわしい。

ケンブリッジ学派とローザンヌ学派における学説の相違について

 かつて、ミクロ経済学では市場均衡理論を巡って2つの学派が対立した。アルフレッド・マーシャルが率いた「ケンブリッジ学派」と、レオン・ワルラスが率いた「ローザンヌ学派」である。ケンブリッジ学派は、主として1つの財の市場における価格と需給量の決定を扱う「部分均衡分析」(ただし、部分均衡は注目する財以外をまとめて一つの財として捉え、明示的ではないがその均衡を考えていることになるため、一般均衡分析でもある)が主であり、ローザンヌ学派は、多くの財をふくむ市場全体における価格と需給量の同時決定を扱う「一般均衡分析」が主である。これをワルラス一般均衡理論という。

 ケンブリッジ学派においても一般均衡について考えていないわけではなかった。ケンブリッジ学派が想定する一般均衡とは3つの時間区分とそれに対応する市場の広さの違いによる均衡関係である。最も短期のもので、供給量一定で、これに需要曲線が交わって価格が得られる状態の均衡を「一時的均衡」と呼ぶ。ここで成立する値段が高ければ、資本設備一定の下で生産量を増減させる。こうした適応によって得られた均衡を「短期均衡」という。短期均衡の視点に立つ生産者は、より有利な市場を求める。短期均衡で決まった価格が高ければ、生産者は設備投資を行い、生産量の拡大を図る。このとき生産者は、短期均衡よりもさらに広い視点に立って、何処の地点の工場を立地させるかを考える。こうして資本設備の変化を考慮に入れた条件の下で成立する均衡が、「長期均衡」である。ケンブリッジ学派においては、一時的、短期、長期の中で、一方の均衡が他方の不均衡を生み、その均衡化への動きが、他方の不均衡化を生むような、時間と空間で動く社会を想定している。

 ローザンヌ学派では一般均衡を静的な事象と想定し、ケンブリッジ学派では一般均衡を動的な事象として想定していたということは前述によって自明である。ワルラス一般均衡は、「複数財の相互依存関係に注目して」生産の理論、信用の理論へと拡大するため、方法や視点がケンブリッジ学派と異なる。

 そんなマーシャルとワルラスにも共通点がある。経済現象を数理モデルで記述しようと試みた点である。両者とも優れた数学者だった。経済現象を数理モデル化することで経済学を思想ではなく「科学」として追究したいという考えがあったに違いない。加えて両者とも自由放任主義的経済について懐疑的な見解を示している。

 マーシャルもワルラス一般均衡理論を否定したわけではなく、その成立条件が極めて厳しいものであると考えていたため、ケンブリッジ学派においてワルラス一般均衡理論が主流になることはなかった。ワルラス均衡の存在は、彼の死後半世紀を経て数学的に証明されることになる。マーシャルが望んだ市場均衡の時間区分による分析は市場均衡の動学分析(動学的一般均衡モデル{DSGE})という形で結実する。こうしてマーシャルとワルラスの理論統合がなされたのである。彼らの理論は弟子たちによって動学化され、その妥当性が実証されたのだ。

 

 

統計プログラミング言語Rを用いた一般均衡分析

統計プログラミング言語Rとは主に統計分野において用いられるツールである。実証分析をする際、非常に便利である。研究者が公表している追加パッケージを用いることで様々な分析が可能となる。とりわけ経済学分野のパッケージが豊富である。そんな中、最近になり新しいパッケージが登場した。

  そのパッケージは、gEcon(ジーコン)という。gEconは一般均衡モデルを構築、分析するためのツールである。Dynareで十分じゃないかという主張もあるかもしれないが、私はgEconを推奨する。理由は次の通りである。

  第1に、なるべく1つのソフトで済ませることができる。従来の手法だと、Rを使用することができないので一般均衡分析の際には別途、OctaveとDynareを導入する必要があった。なるべく同じソフトで済ませたいと考えるのが当然である。Rパッケージのgeonと組版ソフトの1つである「Tex」を使えば均衡分析に関する論文を出力することも容易である。

 第2に、Rの方が、Octaveに比べ扱い方が容易である。(これは私のかんそうである)またRの関連パッケージを組合せて使用することで応用的なモデルを構築することが可能となる。

 インストールの仕方やマニュアルは下記の公式サイトを参照してほしい。

gEcon - general equilibrium economic modelling language and solution framework

 ぜひ活用してほしい。

 

ー動学的一般均衡モデル概説ー

  今回は経済政策の分析ツールとして一般的になった「動学的一般均衡モデル」について説明をする。

  学部レベルのマクロ経済学を学んだ人が上級マクロを学ぶときに混乱するのが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」である。マクロ経済学ミクロ経済学で仮定される、効用を最大化しようとする家計と利潤を最大化しようとする企業をモデルに組み込もうとする動きである。(合理的経済人{主体}の仮定をマクロ経済分析の基礎におく動き)

  マクロ経済学では長期、中期、短期という時間的区分で分析を行っている。マクロ経済学の主な学派はケインジアン新古典派である。(※1)

 (※1)ケインジアン新古典派:ケインイジアンは市場における価格、賃金などが硬直的であると仮定し、新古典派は価格、賃金などが伸縮的であると仮定した。

 ケインズは一般理論を出版し、マクロ経済学(ケインズ理論)を創始した。それは、「ケインズ革命」をもたらす。ケインズは不況下において、政府が需要を作り出すことが肝要だと主張した。短期において、その主張は正しく一定の効果を発揮した。またケインズ理論を支持する学者たち(ケインズサーカス=オールドケインジアン)は、理論のモデル化に苦心した。それはケインズサーカスの一員であるヒックスによって「IS-LM分析」という形で結実するが、このモデルは静学的(時間の経過を考慮しない)であったため厳しい批判に晒されることとなる。ケインズが提唱した「有効需要の原理」の解釈について誤った考え方が蔓延ってしまう。ケインズ財政出動を「景気回復の呼水」と考えたが、ケインズサーカスでは、「景気回復の万能薬」になると考えた者も多かったようだ。70年代のスタグフレーションに対し、有効な政策を打ち出せなかったことによりオールドケインジアンは衰退していくこととなる。ただし、新古典派おいても短期的では財政出動が有効であるという意見もある。

  この一連の経緯によって、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」という潮流が生まれた。ミクロ経済学の市場観はワルラス一般均衡理論に依拠している。多数の財が常に市場均衡価格で取引され、適切な資源配分がなされる」という理論である。ただし、ワルラス一般均衡理論は静学モデルなので、「動学化(時間の経過を考慮するモデル化)」する必要がある。それが、動学的一般均衡モデルである。このモデルは前述のミクロ的基礎付けがなされている。

  これに対抗し、ケインズ理論にミクロ的基礎付けをもたせようとする動きが活発になる。それが、「ニューケインジアン学派」である。多くのニューケインジアンの学者によって、ケインズ理論にミクロ的基礎付けがもたらされることになった。(※2)これで新古典派と同じ土俵での議論が可能になった。これにより長期の政策シミュレーションが可能となった。

 (※2)ニューケインイジアン学派の功績:ケインジアンが主張する「価格の硬直性」をミクロ的基礎に基づいて証明し、裁量的な経済政策の有効性を示した。

  イデオロギーや主観的基準を排した政策シミュレーションが可能となった。動学的一般均衡モデルにおける最大の功績は、新古典派との「前提条件の相違」を限りなく少なくし、分析ツールの統一化を行ったことだと考える。