ジークの雑録日誌

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なぜネットMMTerはミクロ的基礎づけを認めないのか

 ネットMMTerはミクロ的基礎づけを軽視している。木村氏と、あるネットMMTerのレスバを見て私はそう確信した。

 あるネットMMTer曰く、「経済学は科学じゃねーから思い上がるな(意訳)」と。言ってしまえば、会計論に終始したMMTでいいという趣旨だ。この言説は真面目に取りあうだけ時間の無駄である。今回はミクロ的基礎づけの真意について説明したい。

 経済学で実証分析をする場合、統計学計量経済学といった分析手法を使う。分析対象によるが、単に線形回帰を行った場合、推定された係数パラメータは、政策変更によって人々の行動が変化すること変わってしまう可能性がある。これをルーカス批判という。分かりやすく言えば単純な計量モデルだとパラメータの変化がどのような原因で起きたか分からないので、計量経済学では統計的に因果関係が分かるモデルを作るべきということだ。理論モデルの作成で重要な概念はミクロ的基礎づけだ。

ミクロ的基礎づけとは家計や企業、政府等の経済主体が入ったモデルを指す。NK派が前提とする合理性をモデルに用いる場合はDSGEを使わなければならないしPK派が仮定する限定的合理性を用いる場合はより一層のミクロ的基礎づけと経済主体の相互関係に基づいたモデルを構築しなければならない。

 ネット評論家気取りでストローマン論法を駆使し相手の時間を潰すよりも計量経済学の教科書(https://www.ssc.wisc.edu/~bhansen/econometrics/Econometrics.pdf)を読み学ぶべきである。 

教科書のリンクが失効しているので各自で